晶子の徒然草
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
今年は昨年と異なり、はや秋風が心地よく涼しさを感じられるようになりました。夜は虫の鳴き声が響き渡り、肌寒いほどで秋をしっかりと実感できます。秋は夏のまぶしさと比較すると昼夜の差が大きく、流れる時間がとても貴重に感じられます。7月に骨折し身動きが不自由なため、葉月のお便りをお送りすることができず、皆様にご心配をおかけして恐縮に存じます。いろいろな温かい励ましを頂きまして、本当に有難うございます。骨折して感じた人の温かさに、情けない経験だけではなく、人間の良さを実感することができ、まさに「怪我の功名」の二か月でした。
お盆前には何とか退院し、複雑骨折の右足も8月中には100%加重できるようになり、今ではヨチヨチと歩き回っています。階段の上り下りや重い荷物を持つことはまだまだ難しくちょっとめげていますが、明るく元気よく頑張ってまいります。これからスムーズに歩けるようになるかは自分の意欲と切磋琢磨次第だそうですが、1~2か月は装具を付け、絶対に転ばないことを厳命されています。しかし、体の不自由さにめげず、セミナー等で元気よく日本全国を飛び回っており、ゆっくりですが完全復活を目指しておりますので、どうぞ優しく応援してくださいませ。
さて、暑さが和らぐ日差しの中、1か月以上放置していた庭にでてみると、花壇が草だらけ、花も押し合いへし合いで暑苦しい限りでした。地植えの花の成長ぶりがよくわかっていなかった私は、花壇にデイジーやカランコエなど様々な花の苗を植えていたのですが、とても窮屈そうに感じ、しっかり根付いている5株ほどに焦点を当て3分の2以上の花株を整理いたしました。胸がキュッと痛んだのですが、何とか伸び盛りの花たちに、活躍できる土俵を用意したいと思ったのです。驚いたことに、選んだ小さな花株が、自由に活躍できる環境を得たとたん華々しく成長し、たった二週間でまるでこの花壇のために用意されたお花の如く咲き誇っています。
子供や孫を育てるということのみならず、人を育てるということはまさに土俵を与えるということなのだと花たちに教えてもらい、座ったままでしか庭仕事ができなかったためなかなか苦労したガーデニング作業でしたが、今は花壇を眺めながら私も骨折などに負けず頑張らなくてはと、とても幸せな気持ちになっています。
春の花がすっかり終わり夏の花も盛りを過ぎると、一味違ったシックな色合いの秋の花で庭や花壇を彩るのが楽しみでしたが、残念ながらこの足の状態ではちょっと無理そうです。そこで、是非どこかで見たいと思って楽しみにしているのはコスモスです。メキシコを原産地とするコスモスは、秋を代表する花の1つで、見た目の可憐さとは反対に強いお花で、乾燥して痩せた土地でも元気に育つそうです。
このコスモスという名ですが、これはギリシア語の「Kosmos」に由来していて、宇宙、秩序、調和、美しい、装飾などの意味があるそうです。ギリシア語で「美しい」という意味を持つコスモスですが、日本では、その可憐で美しい姿から「アキザクラ(秋桜)」と呼ばれているのは皆さんもご存知のことと存じます。このように、現在の秋の景色にあたりまえに見られるコスモスですが、実は近代になってからのもので古来にはなかったのですから、歴史には登場していません。
実は私も、1977年にさだまさしさんが作詞作曲して山口百恵さんが歌ったヒットソング『秋桜』で漢字を知り、この歌にすっかり魅了されてしまい、いまでもカラオケに行くとこっそり歌いたい大好きな歌の一つです。気力がなくなる、なんとなく疲れると感じるようなときは、ピンクやホワイトのコスモスをお部屋に飾って見ると、なぜか気持ちが和らいでリラックスできます。慌ただしく、次から次へと難題が押し寄せてくる毎日ですが、ゆったりとお花と会話してみるとパワーをもらえるような気がします。猛暑が始まる頃、くっきりと濃い色の花に元気を分けてもらい、秋には地味ながらも風情を感じる花に心を安らかにしてもらい、自然界のめぐりは見事に、その季節に必要なものを与えてくれています。
風に吹かれてもしなやかで強いコスモスのようにしっかり根をはり、皆様とともに華やかで柔らかな人生を作っていきたいと願っております。滑り落ちて骨折するようなドジな私ですが、これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。