晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
あたたかな春の日差しも束の間、じわじわと日差しが強くなって夏へと近づいており、太陽の光をキラキラと浴びた花たちが我が家の庭を彩っています。今はフリージア、キンギョソウ、紫露草等が見頃を迎えています。露草は野草ですので生命力が逞しく、地下茎かこぼれ種かはわかりませんが、あちこちに次々と咲いています。にもかかわらず、ご近所さんや道行く人に「懐かしい」「珍しいですね」といった声をかけてもらっている野草で、特に年配の方の郷愁を呼んでいるようです。私も幼いころよく見かけていたのに、この頃あまり見かけなくなったなと、雨の中の紫露草を楽しんでいます。
さて、今年の7月3日より、いよいよ新しい紙幣の発行が始まります。一万円札は日本近代社会の創造者と呼ばれている渋沢栄一、五千円は女性の自立を推進することに力を尽くした津田梅子、千円札には近代日本医学の父と呼ばれている北里柴三郎が新たな肖像画に決まり、今から新札を楽しみにしています。この資本主義で幅を利かせているお金(貨幣)ですが、3つの機能があるとされています。1つ目は物を買ったりサービスを受けたり働いた報酬を受け取る交換機能、2つ目は金額によってモノやサービスの価値がわかる価値尺度機能、3つ目は金融機関に預けるなどして蓄える価値保存機能といわれています。
昔々人々は何か必要となった場合、お互いに直接欲しいもの同士を交換する「物々交換」を行っていましたが、多種多様になってくると用が足りなくなり、布・塩・貝・砂金(金と銀を配合したもの)などの比較的価値が下がりにくい物品と欲しいものを交換する「物品交換」を行うようになりました。ただ、この物品交換にも布や塩、貝など交換せずとも製造や入手が可能である点や、砂金の配合率を変える等、偽造が比較的容易で適正な価値で取引をすることが困難なケースがありました。そこで人々は、どの条件下でも同じ価値を持ったお金を使う「貨幣制度」を作りあげたのです。日本でも、和同開珎の誕生以降、金属製の銭貨が発行されていましたが、国家の財政難から958年を最後に鋳造が打ち切られ、再び米や絹などがお金の代わりとして使われる時代に一時逆行することになり、江戸時代より前には統一した貨幣はありませんでした。
徳川家康が貨幣製造の技術・体制を整備し、1601年に慶長金銀を発行しました。その後、江戸幕府は寛永通宝を発行し、金貨(小判、一分判)・銀貨(丁銀、豆板銀)・銭貨(寛永通寳)による三貨制度が整ったのです。この三貨制度により、統一政権が国内の基準貨幣を制定し日本独自の貨幣体系が成立したことになり、その意義は大きくまさに日本のお金の歴史が始まったと言えます。
現在では現金だけでなく、クレジットカードやスマートフォンのQRコードを使ってのキャッシュレス決済の利用が進んでおり、私も活用しています。今や世界は紙幣ではなくIT化による決済が主流となり、困ったことにこれからは電子マネーを理解して使いこなし、お金の流れを把握する時代の到来です。
さて、いよいよ6月から始まる特別減税ですが、給与所得者は6月分の源泉所得税から特別減税が始まり、住民税について6月は徴収されず残額が11回に分けて徴収されます。不動産所得や事業所得のある方は7月の予定納税から本人分の特別減税が行われ、扶養親族分は減額申請を行う必要がありますが、結局は確定申告で調整することになるのですからこの手続きはお勧めしません。
では、生計一の家族の場合、誰が扶養親族分の特別減税を受け取ることができるのでしょうか。原則は最初に申告書に記載したところによりますが、親がもらうか配偶者がもらうか、父がもらうか母がもらうか揉めたときはどうするのか、なんと政令で決められています。同一生計配偶者が他の者の扶養親族にも該当するときは、その夫又は妻である者の同一生計配偶者とされ配偶者優先です。2人以上の者の扶養親族に該当するときは、合計所得金額の見積額が最も大きい者の扶養親族とされます。また、合計所得金額が1805万円超の場合扶養親族分も含めて特別減税は受けられませんが、特別減税と扶養控除はセットなので1805万円以下の納税者で受けるのが有利とも限りません。最後には確定申告で選択し直しができるので安心ですが、判断ミスしないようにしたいものです。揉めたときのことも考えて法令を作るのは大変だなと実感しました。
色とりどりの花はもちろん、サクランボや果実の兆しが感じられ、明るく爽やかな新緑が見頃となっています。我が家もオレンジ三寸アヤメが満開となり、一番艶やかな花壇かもしれません。夏に向かって汗ばむ陽気の日が続いていますが、朝晩冷える日もありますので、衣服の調整にご留意の上、梅雨までの華やかな気候を楽しみながら明るく元気にお過ごしくださいませ。