晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
冬とはいえ今年は暖かい日が続いており、もうあちらこちらで紅白の梅の花が咲き始めています。先日セミナーで松山を訪問した際、小一時間ほど待機時間があったので、駆け足で紅白の梅を従えた松山城に行ってまいりました。思ったよりも高台にあり、冬空と思えないほどの青空と陽気でとても気持ち良かったです。天守閣からの一望は海あり、橋あり、山あり、ビルあり、江戸時代のタワーマンションと言え、気分は女城主!さらに、品格ある梅の花見ができたのですから、まさに忙中有閑、リフレッシュできたひとときでした。
一方、大阪のお城と言えば、もちろん大阪城。この大阪城公園の梅林にある「白加賀」という梅が大阪では開花の基準木となっており、2月2日に梅の開花が宣言されました。これは平年より8日早く、異なる品種の早咲きの紅白の梅はもう満開です。小さくて愛らしい梅の花は「忠実、気品」という花ことばどおり、女性のまっすぐな心と美しい佇まいを表しているようで、見ていると共感を抱きます。
弊社の近くの大阪天満宮は菅原道真公を祀っており、道真公と言えば大宰府の梅です。「令和」の典拠は「万葉集」の梅花の歌、三十二首の序文となっています。「時あたかも新春の好き月(よきつき)、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」と訳されています。
この詩は奈良時代の初め、当時の大宰府の長官、大伴旅人の邸宅で開かれた「梅花の宴」で詠まれたもので、32人が梅の花を題材に歌ったものをまとめた序文として、大伴旅人自身が書いたものです。「梅花の宴」は、当時、一般には珍しかったという中国からわたってきたばかりの梅の花をめでて開かれたとされています。
今の時期は仕事に追われて梅を見に行けないと想定されましたので、梅大好きな私は、玄関脇の北庭にこっそり、紅梅の盆栽を植えてみました。何と驚くことにすくすくと育ち、といっても盆栽ですからそんなに大きくならず安心です。毎年今頃に花が何輪もきちんと咲き、家を出発するときに行ってきますと挨拶すると、すてきな香りで応えてくれます。朝からちょっと幸せな気持ちになれます。
梅は鑑賞用で楽しまれる一方で食用としても広く栽培されています。とても具合のよいことを「いい塩梅」と言いますが、昔は酸味と塩味で料理の味を引き立てる「梅酢」が調味料として使われており、料理用語としてよく時代小説に出てきます。
頂いた青梅を漬けて作った自家製の梅酒を昨年は家族が何種類も作りました。青梅を水で丁寧に洗い、水気を取り竹串でヘタをひとつひとつ取り除きます。たこ焼きを返すような手さばきでヘタの緑をなぞるとスポッと取れます。
ヘタを取ることでエグ味がなくなり爽やかな味わいになります。そのあとは青梅をビンの底に優しく敷き詰め、氷砂糖をのせ、交互に入れていき、最後にお好みのアルコールを注ぎます。我が家では氷砂糖はうんと少なめで、ブランデー、ウオッカ、ラム、日本酒の4種類を瓶ごとに注ぎ入れ、仕込みを完成させました。きちんと蓋をして涼しくて温度変化の少ないところで保存し、1年待つと青梅のエキスが浸透し味わいある梅酒が楽しめます。何年も置くと、どんどん味が深まっていきますので、いろいろなお酒で試されると楽しいと思います。冬のお湯割りや夏のソーダ割りで、薄めですっきりと飲むのが私のお勧めです。
さて、今年の税制改正は相続税に関してはほとんどありませんでした。所得税や法人税は多々改正があり、実務的には大きな影響がありましたが、資産家の皆様にとっての影響は配偶者居住権に絞られるといってもよいでしょう。配偶者に終身住む権利を取得させ、不動産の所有権自身は子に取得させるという方法です。同居している場合などには相続税の節税効果の高い方法です。相続の時には配偶者の取得分として、配偶者居住権(建物)及び配偶者敷地利用権(土地)は相続税の課税対象となりますが、配偶者の税額軽減措置を適用すれば、遺産の2分の1までは相続税は課税されません。その後、配偶者の死亡により配偶者居住権が消滅した場合、建物も土地も負担が消滅して所有権の価値が上がるのですが、それには相続税が課税されません。まさに、相続税のかからない財産が生まれたのです。ただし、活用するには十分な注意点がありますので、是非事前にご相談の上ご検討ください。
暖かくなってきたとはいえ、まだまだ寒波の到来も予想されます。コロナウイルスも心配ですが、明るく元気よく免疫力を作ることが、一番の予防策と言われています。
うがい、手洗いなどの体調管理にお気をつけ頂き、春が到来するまでを楽しくお過ごしくださいませ。