晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
3月に入っても寒暖差が激しいですが、日中は暖かい日も増えてきてあちらこちらで春の兆しが感じられるようになってまいりました。季節の花も梅から桃へと移り変わり、満開の桜がとても待ち遠しいです。2月は税制改正と確定申告であたふたしてお雛様を出す余裕がなく、3月に入ってから大急ぎで雛飾りを致しました。毎年のことで困ったものですが、お家にお雛様がおられるだけでぱっと華やかな気分になり、女子である私はやはり嬉しかったです。
さて、節分を超えると日本酒の新酒が多く出回ります。日本酒の新酒とは、原則として「7月1日から翌年の6月30日までの酒造年度」(醸造年度)内に、その年の新米で醸した日本酒を意味します。一方、醸造年度内の初期のお酒については、12月~翌年3月くらいまでの間に出荷されるものが多く、これらを限定して新酒と呼ぶこともあります。原則的な定義での新酒より、こちらの意味合いの「新酒」のほうが一般的な認識が高いようです。
この酒造年度は、酒税収入の基本となる酒類の製造数量を把握するのが目的で、明治29年酒造税法(現在の酒税法)において、製造期間の中途で年度が変わると税務検査上不便であり、秋に収穫された米の数量を基礎に製造計画をたてること等が理由で「毎年10月1日から翌年9月30日」と定められていました。実態に合わせて、昭和40酒造年度の国税庁の通達により、現在の期間に改定されています。酒造年度は「BY(Brewery Yearの略)」とも表記され、たとえば、令和5年7月1日から令和6年6月30日までの間に造られたお酒は「令和5酒造年度」や「R5BY」または「2023BY」と表記されます。
酒蔵元や酒屋の軒下に、毎年2月から3月頃にかけ丸い杉の玉が吊るされます。これは「今年も新酒ができあがりました」という合図であり、その色の移り変わりで、日本酒の熟成具合を伝えてくれるものです。この杉玉の謂れは、奈良県にある日本最古の神社で「日本三大酒神神社」に数えられるお酒の神様を祭る大神神社(おおみわじんじゃ)に由来しています。大神神社では、毎年11月14日にお酒造りの安全を祈願するお酒祭り「醸造安全祈願祭」が開かれ、その際に「おいしいお酒ができますように」との願いを込めて直径約1.5m、重さ200kgの杉玉を飾が飾られます。その風習が江戸時代初期から全国の酒蔵に広がり、今ではさまざまな場所で杉玉が見られるようになりました。
また、大神神社のある三輪山に生えているたくさんの杉には神様が宿っていると信じられており、そのご神木である杉から「杉玉」が作られていました。かつては大神神社から授与された杉玉を飾るのが一般的でしたが、現在は各地で作られてたすべてを杉玉と呼んでいます。杉玉が緑色の冬から春はフレッシュで火入れしない「しぼりたて新酒」の季節、その後春先に火入れをして涼しい蔵の中で貯蔵します。杉の葉が枯れていくにつれて、新酒が変化して時間の経過による熟成が進み、茶色くなるほどお酒の熟成度も高まります。通常、日本酒は出荷前にも火入れしますが、杉玉が枯れた秋になり貯蔵蔵から火入れせず出荷されるお酒が「ひやおろし」、熟成が進みまろやかな味といえます。杉玉の色から季節を感じ取り、日本酒の楽しみ方の1つに加えてください。私は杉玉の色に関係なく、よく磨き蔵で熟成させた透明感のあるお酒が好きです。
いよいよ令和6年度税制改正も3月末には国会を通過し、所得税・個人住民税の定額減税及び、減税では定額に満たない人への給付も可決するでしょう。6月の給与で源泉徴収からの家族分の減税と住民税の徴収なしで給料の手取りは増えますが、7月以降は11分の1の住民税の徴収も始まり、給与の手取りが減少します。気分的には減税のメリットをあまり感じられず、残念な気がします。減税を早期にとの岸田首相の指示でしたが、税収の増加を国債の返済に充てたかった財務省の仕返しでしょうか。税制改正案によるとその手続きは複雑で、給与を支払う事業者・税理士事務所・地方自治体・システム会社などはたった1年度限りの大変な事務作業に振り回され困惑の限りです。
住宅ローン控除については子育て支援税制の先行対応をしていますが、新築住宅の場合省エネ基準を満たしていないとローン控除を受けられない、住宅取得資金贈与の非課税措置についての1000万円上乗措置はZEH基準に限定など、建築基準法より税制特例の要件が先行して厳しくなっています。これから住宅を取得に関しては、気を付けなければなりませんのでご注意ください。
あたたかな春が待ち遠しいこの弥生月、皆様の総決算である確定申告も終えて清々しい気持ちでいっぱいです。これからの花の香りや芽吹き、鳥のさえずりを楽しみに、季節の合図を感じながら元気にお過ごしくださいませ。