晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
金木犀の甘く爽やかな香りが漂う神無月となりました。あちらこちらで木の葉も色づき始め、秋の本格的な訪れを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
季節を示す言葉として、日本伝統的に四季を青春、朱夏、玄冬というように色をつけて表す習わしがあります。私がイメージする秋の色は紅葉の赤や黄土色ですが、伝統的には「白秋」と呼びます。これらの言葉はまた、人の一生を表す言葉ともされています。言葉には対応した年齢があり、「青春」は16歳から30歳前半、30代後半から50代前半が「朱夏」、50代後半から60代前半が「白秋」、60代後半以降は「玄冬」とされています。これらの言葉から、春の始まり、夏の盛り落ち着きの秋、経験を積み重ねた承継の冬をイメージできます。秋はまさに、色々と経験を積みピークを越え、その豊かな経験を次世代に残していく冬に至る時期を「白秋」という言葉で表しているのではと思います。
秋の夜は空気が冴え、頬を撫でる風に冷たさを感じますが、星々がより一層光り輝いています。雲のない天気の良い日にウッドデッキから夜空を見上げると、天高く翔るペガスス座やアンドロメダ座、ペルセウス座などギリシャ神話でもおなじみの星座を見つけることができます。小学校の頃に、神々と人間がおりなす壮大な星座のストーリーに夢中になり、明るい間は本に、暗くなると夜空の星に夢中になっていました。秋の夜空は、そんな幼かった頃の思い出である古代ギリシャ時代におけるゼウスを中心とする神々と人間たちとのお話を思い出させます。
古代エチオピア国王ケフェウスと王妃カシオペアは娘である王女アンドロメダを美の神よりも美しいと自慢していました。これを知った神々は怒り、思い上がった人間たちをこらしめるため、王女アンドロメダを海の怪物ティアマトの生贄に差し出すよう要求します。時を同じくして、並外れた勇気と力を持つ勇者として数々の冒険をしていたペルセルスはメドューサ退治の後、メドューサの血から生まれた天馬ペガススに乗り故郷に帰る途中、生贄にされそうになっているアンドロメダに出会います。ペルセウスはメドューサの首を持ってティアマトに立ち向かい、メドューサの力で海の怪物を石に変えてしまいます。王女アンドロメダを救ったペルセウスは王女と結ばれ、アルゴス国王として活躍したとされています。
この有名な物語に登場する、ペガスス座とアンドロメダ座の4つの星を結んでできる大きな四角形を「秋の大四辺形」と呼び、秋の星座のガイド役として南の空の高い位置に輝いています。各季節の「大三角」はそのほとんどが1等星からなっていますが、この秋の四辺形のみは全て2等星です。秋の四辺形は夏と冬の大三角形と比べるとあまり知られておらず、知らずに見るとあまり目につかないかもしれませんが、一度秋の星座表と見比べて探してみてください。
秋の空には明るい星が多くないので一度見つけると次からはすぐ見つかると思います。ペルセウスとアンドロメダのギリシャ神話を楽しく読んでから夜空を眺めると、まわりにはくじら座となった海の怪物ティアマトや、物語の登場人物が並んでいるので、星座を探しながら秋の夜長を楽しめます。また、今月は3つの流星群が極大を迎えるため、運よく流れ星を見られるかもしれません。人事を尽くして天命を待つ気持ちで、願いを叶えてくれる流れ星を見つけたいものです。
一方現実の世界では、民法の相続編の改正で、遺留分の計算方法が大きく変わりました。今までは相続人が被相続人から受けた特別受益(贈与)はすべて相続財産に持ち戻して計算しなければならなかったのですが、改正で原則として相続開始前10年以内の贈与のみを持ち戻して計算することになったのです。遺留分侵害請求などで、相続後に子達が揉めるのは困るなと考えておられる方にとっては、朗報な改正といえます。また、民法債権法の改正で賃貸契約の保証人の制度や時効、使用できなくなった時の家賃減額制度など、不動産オーナーにとって重要な改正も多くあります。そこで、皆様にとって重要な民法改正をきちんとご理解いただき、ご自身の相続&相続税対策や不動産の経営に活かしていただくため、民法の大家である江口弁護士と一緒に「資産家のための民放大改正 徹底活用 ~相続法・債権法・税金~ 」という書籍を出版することになりましたので、是非読んでくださいますようお願い申し上げます。
秋が深まり心も静まる好季節、日ごとに寒くなりますが、風邪などひかれませんように温かくして、夜空や紅葉を楽しみ元気にお過ごしくださいませ。