晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
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五月晴れの澄み渡る空に、爽やかな風が心地よく、すぐそこに初夏の訪れを感じます。今年は気候が暖かいのか、庭のさまざまな春の花も2週間ほど早く満開です。年明けから、水仙、すずらん、桜、チューリップと咲き続け、そして早くもアイリスが咲き、アヤメも芽吹いてきました。いつもは5月になってから咲くアヤメ科の「アヤメ」「ハナショウブ」「アイリス」は非常に似た姿をしており、見分けがつかない方が多いのではないでしょうか。それぞれの花びらの根元を観察すると区別することができるようになりますので、3つのそれぞれの花の特徴についてまとめてみます。
アヤメには、●花びらの根元に網目模様がある●葉が細長い●5月上旬に畑など乾燥した場所に咲くなどの特徴があります。漢字で書くと「菖蒲」になり、この漢字は「しょうぶ」とも読むため、アヤメとショウブが間違えられる一因になっています。昔は花びらの網目模様から、「文目(あやめ)」と書かれていました。このほうがよくわかりますよね。
ハナショウブには、●花びらの根元に細長い形の黄色い模様がある●葉に白い筋がある●5月中旬~6月下旬に乾燥地~湿地に咲くなどの特徴があります。ハナショウブは紫の他、白や黄色・桃色などの種類もあります。アヤメ、ハナショウブは日本の種ですが、この頃個人のお庭でよく見かけるようになったアイリスは地中海原産の外来種です。
アイリスには、●花びらの根元に比較的幅の広い黄色の模様がある●4~6月に乾燥した場所に咲く などの特徴があります。オランダアヤメとも呼ばれており、ハナショウブと同様に白や黄色など様々な色の種類があり、海外の花だけあって他の2つより見た目に華やかさがあります。最後に3つの花の違いをまとめてみます。
もう一つ、アヤメ科の花にかきつばたがあり、「いずれあやめか、かきつばた」という慣用句もあります。これは、二つのものが非常に優れており優劣がつけられない様子を指し、元々は美しい女の人に対し使われていた言葉で、美の代名詞とされています。このかきつばたは、湿地を好みますので、一般的な庭ではなかなかお目にかかれません。このようにどの花もそれぞれ特徴があり、美しく甲乙つけがたいです。「あ!あやめだ。きれいだな。」で終わらず、花びらの模様にわかりやすい特徴がありますので、しっかり花びらを観察して見分けてください。どの種類なのか考えてみると、仕事と同様、それもまた楽しいのではないでしょうか。
四国八十八箇所霊場の第四十八番札所の西林寺のアヤメがきれいと聞いていたので、松山のセミナー依頼を受けた4 月に行こうと勇み立っていたのですが、残念なことにコロナの影響でオンラインセミナーに変更となったため、行けませんでした。この情報を知らせてくれた心許す友人は、現在八十八箇所めぐりのお遍路を実行中で、いつもお寺の四季折々の花の話で盛り上がっています。人間には煩悩が108 個あると考えられており、そのうち見惑(けんわく)88、思惑10、随煩悩10 とされています。八十八箇所を巡礼することにより見惑の88 が消え、願いが叶うと教えてくれました。ちなみに四国には別格二十霊場もあり、あわせると煩悩と同じ108 となります。私自身は煩悩の塊ですが、今のところ10 か所ほどしか巡礼できていませんので、時間が許すようになれば、真っ白な気持ちで八十八箇所の巡礼の旅ができればいいなと思っています。これから夏に向かって気候の良い時期になります。コロナに負けないよう体調管理して、楽しく元気よくお過ごしください。