晶子の徒然草
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
紅葉の鮮やかさと共に、徐々に朝晩の冷え込みを感じるようになってまいりました。北国では霜が降り始め、だんだんと冬が近づいてきたような気がします。
11月には3日の「文化の日」、23日の「勤労感謝の日」という祝日があり、子どもの頃は土日以外の平日休みが待ち遠しく、カレンダーの祝日をよくチェックしていました。今回はこの祝日の謂れについて、少し考えてみたいと思います。
祝日とは、建国や独立など、その国の大きな出来事や記念日として国が制定した日で、1948年(昭和23年)にできた“国民の祝日に関する法律”による日本の決まりごとなのです。昔の人は祝日のことを祭日といっていましたが、祭日は民の幸せを祈る宗教的に大事な儀式を行う日のことでした。その大事な儀式を日本人の代表である皇室が連綿と行ってきてくださったのですが、戦争に負けた日本は様々な法改正の中、皇室にまつわるこの祭日が廃止され、今では名前を変え国民の祝日となっています。
ただ、今でも天皇は日本の象徴であり、内閣総理大臣は国民が選んだ後に天皇によって任命されています。よって、一年の大事な節目に、五穀豊穣の祈りや収穫への感謝の儀式(祭事)を行うのは天皇の役目であり、これは現在も継承され、国民の幸せを願って、祭事は毎年皇室にて執り行われています。
2015年の時点で、日本には15の祝日が定められていました。そして2016年には新たに「山の日」が追加され、祝日は全部で「16日」になりました。祝日には日付が変わらない祝日と日付が変わる祝日があり、日付が変わらない祝日は日本の歴史の中で複雑な由来や出来事がある事が多いのです。祝日とは、「自由と平和を求めてやまない日本国民が、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日である」と決められています。例えば「元日」は年のはじめを祝う日であり、「建国記念の日」は建国を祝い国を愛する日であり、「海の日」は海の恩恵に感謝する日なのです。そして「文化の日」は、自然と平和を愛し文化をすすめる日ですが、なぜこの日に、この名前となったのでしょうか? それには、憲法が深く関係しているのです。
1946年11月3日に日本国憲法が公布され、1947年5月3日に日本国憲法が施行されました。この日本国憲法によって成立する日本の自然や平和を、日本の文化として称えようという動きから祝日を制定しようということになったのですが、5月3日が憲法記念日となったため、11月3日が文化の日として制定されたのです。
そして、11月3日はなんと、日本を近代国家に変貌させた明治天皇のお誕生日で、かつては明治節と呼ばれていた日だったのです。明治天皇のお誕生日と憲法が公布されたのは同じ日だったのですが、この日を日本の祝日とした当時の方々の深い想いを、齢を重ねてきた日本人としては感じざるを得ません。
また、11月23日は勤労感謝の日です。「勤労感謝の日」の意味は現在の祝日法によれば、「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」となっています。11月23日は戦前もまた祭日で「新嘗祭(しんじょうさい)」であり、その年に収穫された穀物を神に勧め神を祀る行事が行われ、まさに「生産を祝う」ことと結びつきます。こう考えると、勤労感謝の日の「勤労をたっとび」はこの収穫をもたらした「一年の勤労を尊ぶ」という深い意味なのだと理解できます。
新嘗祭は、戦前においては天皇が神々を饗応するための儀式とされており、神に供えるだけではなく、自らも食すことによって新たなる力を得、次の年の日本国の豊穣を約束する行事であると考えられていたのです。戦後はこの新嘗祭は皇室典範に記載された儀式から外れ、法的にはこの儀式を行う必要はなくなっても、皇室においては重要な宮中行事として継続されているそうです。儀式は、何と23日の夕方から始まり翌日の未明まで行われているのです。
これらの謂れを考えていると、9月に公表された象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉が身に沁みます。陛下は全身全霊で日本国民のために行動し、祈りを捧げて下さっていたことを再認識し、自分の毎日を反省しました。私たちも、お互いのために行動し、相手の幸せを祈り続けることが素晴らしい日本を作るために必要なことではないでしょうか。その意味では、皆様のお役に立ち、国家の基盤を構築する一助となるこの仕事を、天職として与えられた私たちは本当に幸せですね。
秋風に、冬の到来を感じるようになりました。今年もあと2か月余りですね。いい秋だったと言えるよう、毎日を心豊かにお過ごしください
まっとう温泉ワンポイントレッスン3
温泉を管理する人を“湯守”といいます。湯守の心意気こそがまっとう温泉を造り出してくれるのです。もてなしの心で客を迎え入れ、天候に合わせて湯量を調節し、毎日せめて1日おきに湯船をきちんと清掃する。こんなお風呂に入るためには、私たちもまず清潔にしてから、騒がず、タオルや石鹸で湯を汚さず、真っ白な気持ちで入浴しなければなりません。お互いの心を高め合うのがまっとう温泉です。
参考:『「まっとう温泉」の見分け方』より
100%ピュアな源泉宿の見分け方
日本では浴槽のほとんどが水道水でも、ごくわずかに温泉水が入っているだけで「温泉」「天然温泉」と表示できるために、100%ピュアな温泉を浴槽に満たしている宿(源泉宿という)を見分けるのはなかなか困難だ。 ・・・それを見分けるには?
- ①温泉組合がある場合「源泉かけ流しの宿はどこか」とたずねてみる。
- ②絞り込んだ宿に「源泉かけ流しか」「源泉の位置はどこか」をたずねる。
- ③集中配湯による引湯より自家源泉の方がピュアな源泉を味わえる。
- ④動力揚湯はポンプアップしており天然成分は溶け込んでいない。自然湧出がベスト、堀削による自噴がベター。湧出形態をたずねる。
- ⑤入浴可能時間も大切。夕食時または深夜か早朝に1~2時間程度の清掃時間がある宿が最も好ましい。かけ流しの場合には夜中は入れない訳がない。
貴重な源泉かけ流しの湯
源泉かけ流しとは、湧いたままの温泉を湯船に注ぎ、湯船の縁からあふれ出て行くもの。かつては当たり前とされていたこんな風呂は、もう今の日本には20%もないのです。
日本の温泉法は世界で最も甘い法律らしい。湯船いっぱいの水道水にコップ1杯の温泉水を加えるだけで日本では温泉を名乗れ、家庭の風呂にバスクリンの方がましということになりかねないのです。水を50%混ぜているという半循環の湯は良心的な方。循環ではせっかくの成分まで濾過されてしまうので、意味がなくなってしまいます。
源泉は、塩分や金属成分などで配管などを急速に痛めるため、湧出量が少ないと大きな風呂は造れません。湯船の中の循環は許せても、せめて湯口からは源泉が流れている温泉を選びましょう。
コスト面でいうと「薄めず、湧かさず、循環せず」は、いかに贅沢かがわかって頂けましたか?
「汚い源泉かけ流し湯」には気をつけよう!
毎日ていねいに湯を抜き掃除しないと、かけ流しでも湯は汚れ、レジオネラ菌が繁殖します。
こんな汚い源泉かけ流しの場合には、たとえ半循環でも、きちんと掃除し、よりよい状態に湯を保つ風呂の方が、随分とまっとうである。
まっとうな本物の湯とは、ただの源泉かけ流しではなく、湯宿がもてなしの心で客を迎え、客も体を洗ってから湯に入り、タオルをつけないなど、まっとうなマナーでこたえる互いのなすべきことを認めた湯なのです。