晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
色彩あふれる紅葉の美しさに心弾む季節となり、WITHコロナとはいえ、高く澄み切った秋空や美味な食べ物に思わず笑顔になってしまいます。10月の神無月という呼び名は、神様が出雲に集まり、諸国から神様がいなくなるため「神の無い月」という出雲神話の謂れから名づけられました。逆に神様がたくさん集まる出雲では「神存月(かみありづき)」と言われています。
出雲神話における出雲大社の祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)で、天を象徴する天照大神(あまてらすおおみかみ)に対し、大地を象徴する神様です。大国主大神にはたくさんの子どもたちがおり、その子どもたちに全国各地の国を管理させたとしています。そして、その子どもたちが年に一度、故郷の出雲大社に戻りその年の報告や来年の相談をしていたのですが、やがて他の神様も一緒に出雲に集まるようになったといわれています。出雲大社に集まった神様たちは、人の運命や縁(誰と誰を結婚させようか)、来年の天候、農作物や酒の出来などについても話し合うといわれ、そのため出雲大社は縁結びの総本山とされているのです。だいこくさまと同じ神様ですが、いわゆる〝七福神〟の中の宝袋を背負っている「大黒天」とは別の神様ですので、ご注意ください。
私も何度か訪れていますが、他の神社では2礼2拍手1礼をして参るのに対し、出雲大社の拝殿では『2礼4拍手1礼』をしてお参りをします。 4拍手をする理由ですが、出雲大社で最も大きな祭典は5月14日の例祭(勅祭)で、この時には8拍手をします。数字の「8」は古くより無限の数を意味する数字で、8拍手は神様に対し限りない拍手をもってお讃えする作法です。ただし、8拍手は年に1度の例祭(勅祭)の時のみの作法とされており、平素、日常的には半分の4拍手で神様をお讃えする4拍手の作法とされているのです。私自身も神様に現状に対する深い感謝の念とこれからの精進に対するお見守りを祈って参りますと、帰りにはパワーが不思議と湧いてきて明るく楽しく元気よくなってきました。日本に生まれ八百万の神様に見守られ、本当に幸せです。
出雲地方は『神話のふるさと』と言われており、神話とゆかりの深い場所が多く存在します。出雲大社のすぐ近くにある島根県立古代出雲歴史博物館ではこれまで発見された遺跡や資料をもとに、古代出雲を様々な角度からのぞくことができ、神話の世界へタイムスリップしたような気分を味わえます。
鉄の神「金屋子神(かなやごのかみ)」がこの地に製鉄を伝えに白鷺に乗って舞い降りたのが桂の木だったことから、門から入口まで続く道の両側には桂の木が植えられています。桂の木は『その木の下で想う者同士が共に愛を誓えば結ばれる』と言われ、葉っぱは縁結びをイメージさせるハート形です。
桂の木は「生きた化石」と言われるほど起源が古い樹木で秋には黄葉し、晩秋に落葉する頃には私にとっては醤油煎餅のような、一般的にはチョコレートのような甘く香ばしい香りを放ちます。桂の名前の由来が、葉が香りを発することから「香出(かづ)ら」が転訛したことにも頷けます。建具や家具、楽器や下駄、彫刻、それに碁盤、将棋盤など我々の日常生活においても桂材は幅広く利用されており、古くから日本人の文化に深いかかわりをもつ植物です。
桂の木は優しい雰囲気があり、左右対称に枝が広がる樹形が端正でおしゃれなため、庭木に向いていると庭師の方に勧められ、我が庭のシンボルツリーとしてお迎えしました。ハート形の可愛い葉が風に揺らぐ姿は魅力的で、新緑時や黄葉時の甘い香りも心を和ませてくれます。また、日本自生種のため、日本の気候風土にとても合っており、虫がつきにくく枯れる心配が少ないため、安心してシンボルとしての将来を任せられます。
晩は冷える日が出てきました。日中との温度差にしっかり備え、一年で一番過ごしやすい味覚の秋を、美味しく元気にお過ごしくださいませ。