晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
新緑の木々と色鮮やかな花々が青空に映えて、朝晩は肌寒いですが日中は汗ばむ陽気でまさに春本番です。そんな日差しを浴びた我が家の庭では、2年前にお客様からいただいた鉢の芍薬が苦労の末、ようやく一輪だけ咲いてくれました。とてもかわいいピンクで一輪といえども艶やかで嬉しいです。
さて、暑くなってくると冷えたビールをぐっと飲むのが好きという方が増えてきますが、私は熟成された精米歩合(精米後の残割合)の低い透明感の高い冷酒を頂くのが好きです。これら酒類にも「地理的表示(GI=Geographical Indication)制度」の適用ができ、このGIとは地域の共有財産である「産地名」を守り、適切な品質管理を促す制度です。産地が申請し、農産品等については農林水産省、酒類については国税庁長官の指定を受けると産地名を独占的に名乗ることができます。この制度は海外では一般的で、わかりやすい例ではシャンパーニュやボルドーなどがこれにあたり、ヨーロッパにおける質の良いワイン造りとそれを保証するための「原産地呼称制度」が起源となっています。
日本でも平成6年度から導入され、近畿の農産品では神戸ビーフ、泉州水なす、万願寺甘とう、三輪素麺、近江日野菜、あら川の桃などが有名です。平成27年から日本酒も含めてすべての酒類が対象となり、国内産米のみを使い、かつ日本国内で製造された清酒のみが表示基準として「日本酒」を名乗ることができます。当たり前のような気がしますが、シャインマスカットやあまおうが外国で真似られた二の舞にならぬよう、高品質で信頼できる日本産のお酒として国際的ブランド価値の向上や輸出促進を図るためです。黒龍や十四代、磯自慢、田酒、新政、鍋島など、自身がブランド力を持つ場合はともかく、小さな酒蔵や新進気鋭の酒蔵など優秀であっても認知度が低い場合、この地理的表示制度により、地域ブランドが定着し他のお酒との差別化を図ることができます。一方で消費者は山形、静岡、はりま等の名称表示により、しっかり品質管理されたお酒を容易に見分けることができ、安心して買うことができます。
平成7年当時、適用されていたのは壱岐(長崎)・球磨(熊本)・琉球(沖縄)の蒸留酒だけでしたが、徐々に浸透していき、ワインに始まり、日本酒、そして和歌山の梅酒と続き、現在は16種類にまで増えているのです。これは、地域性溢れるお酒が豊富な日本にとって、非常に嬉しいことです。
農林水産物には農林水産省が指定するGIマークがありますが、酒類にはなく、そのため地理的表示「GI」の文字が産地名と共に記されています。独自のマークもあり、探してみるのもお酒の楽しみ方のひとつとして面白いでしょう。
さて、4月に国税庁から「令和5年度分会社標本調査結果について」が公表されました。調査結果を見ると、全体の法人数約295万社は過去最大となっており、そのうち、赤字法人は約180万社で、赤字法人割合は61.0%と前年度から0.1%減少しています。このように税金を払っていない赤字法人が多いのが実情ですが、法人の赤字ほど意味のないものはありません。法人税を払うことにより成長があり、同族法人や不動産管理法人として所得税と相続税の節税ができるのです。
なお令和5年度の税収約69.4兆円の構成比は所得税30.2%、法人税21%、消費税33.7%、相続税4%、酒税・印紙税その他の税金 11%となっており、今や消費税頼みの税収となっています。ただし、令和5年度分の法人の所得金額は91兆7,696億円と4年連続で増加し過去最高となっており、法人税総額も14.6兆円と前年度と比べて増加していることに今後の期待が持てます。
連休に我が家で、元軟式庭球部員11人の女子で賑やかに弾けた後、香り高い黄・白・赤のフリージア、鮮やかなオレンジのラナンキュロス、可愛らしいピンクのバラなどを庭から思い切りよく摘み取り、屈託のなかった青春時代の余韻を楽しんでいました。新緑と花の競演の季節を楽しみながら明るく元気にお過ごしくださいませ。