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晶子レター

代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。

6月のレター

 青々とした木々に恵みの雨をもたらす時季となり、我が家の庭では紫陽花が見頃を迎えています。家を建てたときに庭師さんが植えてくれた紫陽花は日本古来のヤマアジサイ、庭師さんはこの庭には日本原種産のみで構成したいと考えてくださっていたからです。このアジサイ、つい最近までガクアジサイだと思っていたのですが葉が尖っているのに気づき、もっと古来から日本にあるヤマアジサイと知りました。私はこんな深い庭師さんの思いを裏切りこっそり鉢植えの西洋アジサイを北庭に手植えしてしまいました。爽やかなブルーの紫陽花を植えたのに数年は咲かず、蛎殻石灰をよく使っているうちに、土壌がアルカリとなり今では毎年紫色の花を咲かせています。可憐な紫色の紫陽花を見るたびに、天国におられる庭師さんに「綺麗から許してください」と呟いています。

 さて、6月30日に食べる京の和菓子「水無月」をご存知でしょうか。三角形のもっちりとしたういろうの上に小豆の甘煮が並べられていて、京都出身の私は幼い頃から馴染み深いものです。室町時代から、6月30日に夏越の祓(なごしのはらえ)を行い、氷室の氷を食べて夏バテ防止をするという風習がありました。夏越の祓とは、神社の境内で茅というイネ科の植物を編んだ直径2メートルほどの大きな茅の輪をくぐり、半年の間に身に付いた穢れや災いを払い落として心身を清め、1年の残り半分の無病息災を願う行事です。しかし当時、氷は大変貴重なもののため、京の人々は氷に似せた水無月を食べるようになりました。散らした小豆の赤色は邪気を払うものであり、三角形のういろうは氷を表しているのだと教えてもらったのは、小学校に上がる前のことです。京では6月になるとソワソワと、どこの水無月を食べるのかということが話題になります。6月の京であれば、小さな和菓子屋でも簡単に手に入る水無月ですが、今でも「夏越しの祓」である6月30日当日にしか販売しないというところもあり、「年越しの祓」に食べる年越しそばは大晦日のうちに食べ終えるとされているように、水無月も6月30日中に頂くことが大切とされています。我が家でも、毎年6月に京から水無月を取り寄せ家族一同で食し、半年間の災いを払い落しこれからの半年間の無病息災を願っています。

 この頃は少子化どころか、配偶者・子や兄弟がいないまま亡くなる方が増えています。小説では遠い親戚から遺産が転がり込んだなどという話もありますが、現在の日本では配偶者・直系卑属・直系尊属・兄弟姉妹(甥姪まで含む)という法定相続人を持たない人が遺言を残さずに亡くなると、相続人不存在となり、裁判所が選任した相続財産管理人が債務を返済するなどして遺産を整理し、残りは国庫に入ることになります。この「相続人なき遺産」が、ここ10年で、375億円から768億円と倍増しており、その背景はおひとり様の高齢者の増加や不動産価格の上昇のほか、高齢世帯に金融資産が集中していることでしょう。内閣府の白書では、金融資産の6割以上を世帯主が60歳以上の世帯が保有しており、そうした資産は消費や投資に向かいにくく、貯蓄に回りやすいという事も挙げられます。相続人がいない人の増加と共に、遺産の国庫以外の行き先を模索する動きも広がっており、最近注目されているのが遺言を残すことでNPOや大学、医療関係のなどの団体に寄付できる遺贈寄付です。亡くなった後にそのような機関に寄付する手続きをしておくことで、遺産が国庫に入らずに研究や医療、慈善活動などに活かされます。この遺贈寄付をすることで社会貢献になる、遺贈寄付した財産には相続税がかからないため節税にもなりますので、相続人がいない人はもちろんのこと、相続人がいても寄付をしたいなと思われる方は、是非ご相談くださいませ。

 豪雨と暑い日が交互に訪れる空模様ですが、心だけは爽やかに晴れやかさを保ちながら、雨の季節の美しい花々や青々と茂る木々に癒され、雨あがりの爽やかな空気の中を姿勢よく歩いてみたりと、この時季ならではを楽しみながら、明るく元気に夏をお迎えくださいませ。

今月の写真