晶子レター
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
夏から秋へのバトンタッチとなる9月、皆さまいかがお過ごしでしょうか。台風も通り過ぎ、夏の暑さから少しずつ解放されてきたように思います。今年の夏は猛暑とコロナ禍ですっかりお疲れになられたでしょうから、心機一転自立神経のバランスを取り戻して元気に秋を迎えていただきたいと願っています。
そのためには、まずはよい睡眠のために寝る1時間前からゆったりとした気持ちになり、スマホやテレビはオフにして、心地よい空間でリラックスしてから布団に入ると質の良い眠りが期待でき、朝すっきりと目覚めることができるそうです。しかし、私は寝る直前まで、一日のメール整理や明日の予定を確認しており、画面が揺らめく中、気が付いたら寝込んでおり、頭は常に何かがグルグル巡っている最中に目覚まし時計の音にたたき起こされボーッとした頭で朝に目が覚めるという状態で、熟睡したすっきりとした目覚めとは程遠い残念な残念な生活をしております。
また入浴も大事です。暑い夏は簡単にシャワーで済ませ、湯船に浸かるのを避けがちですが、冷房や薄着、冷たいドリンクなどで実は体が冷えている事が多く、血流が濁り体内に老廃物がたまって疲れが慢性化してしまうこともあります。シャワーは体表面の汚れは流せてもカラダの中の巡りをよくすることはできません。半身浴や足湯などの部分浴でも効果的ですので、ぜひ浸かる習慣をつけてみてください。お風呂大好きな私はシャワーを避けてなるべくお風呂につかることを心がけており、夏でもバスの窓を大きく開け、羽目殺しの一枚ガラス越しに庭を眺めながらゆっくり入浴しています。そのおかげでしょうか、免疫力が上がりあまり熱を出したり風邪をひくことがありません。
さて、秋には五節句の一つである9月9日の重陽の節句があり、平安時代の初めに中国から伝わったとされています。古来中国では、奇数の日は縁起のよい「陽の日」とされ、3月3日や7月7日など、奇数が重なる日を祝い節句としました。そして、中でも一番大きい陽の数である「9」が重なる9月9日を「重陽(ちょうよう)」と呼び、五節句の1つとして親しまれる行事になったのです。
日本にある五節句は、●1月7日 人日の節句(七草の節句)、●3月3日 上巳の節句(桃の節句)、●5月5日 端午の節句(菖蒲の節句)、●7月7日 七夕の節句(笹の節句)、●9月9日 重陽の節句(菊の節句)となっています。
重陽の節句に欠かせないのが「菊」。古来中国には、菊の花からしたたる露が川に落ち、その川の水を飲んだ者が長寿になったという「菊水伝説」があります。薬効の植物とされてきた菊が、平安時代に日本にも語り継がれ、今でも不老長寿を願い邪気を払う花として定着しています。是非、今月は花びらを浮かべた菊酒を飲んでください。
また、9月に4連休があり、いわば第2のゴールデンウィークで敬老の日と関係することもあり “シルバーウィーク”と呼ばれています。そのうちの9月22日は、二十四節気の秋分に入る「秋分の日」、つまり太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる、彼岸の中日です。この日から、徐々に昼より夜が長くなっていきますので、夜はずいぶん過ごしやすくなるのではないでしょうか。今月はちょうど、昼と夜が半分ずつの素敵な長月、お月見も楽しんで美酒を嗜みたいです。
この彼岸の中日はお彼岸にお墓参りをする風習を踏まえ、「祖先をうやまい、なくなった人をしのぶ」という趣旨をもつ国民の祝日として「秋分の日」とされたのです。仏教では生死の海を渡って到達する悟りの世界を「彼岸」といい、その反対側の私たちがいる世界を「此岸(しがん)」といいます。彼岸は西に、此岸は東にあるとされており、太陽の道から、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなるのは秋分と春分であると考えられ、先祖供養をするようになったと言われています。迷い、悩み、煩悩に惑わされている人間が、悟りの世界と通じるこのとき、暑さや寒さや色々な辛さも彼岸の頃には和らいでいくと考え、心が楽になって励まされてきたのだろうと想像します。彼岸が明けたら、味覚の秋、芸術の秋、紅葉の秋へと移り変わり、人の心も和むことを祈っています。
また、この時期、お墓に参ると周りの道などで不思議な魅力を持つ花「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」を見かけます。彼岸花の別名で、サンスクリット語では“天海に咲く花“の意味をもちます。秋分の日の頃に鮮やかな赤色の花を1週間ほど咲かせ、やがて葉になり、冬、春を経て枯れるという、ほかの植物にはあまりない特徴があります。この毒を利用して、田畑を荒らすモグラやネズミから大切な先祖の墓や田んぼを守るために植えられ、それがそのまま残って今日の秋分の日の頃に彩りを添えることとなりました。ご先祖様に思いを馳せ、日々の日常に感謝しながら秋分の連休を過ごしたいと思います。
暑くともマスク着用が求められており我慢の毎日が続いていますが、少しずつ残暑が和らいで、過ごしやすい秋がくるのももうすぐです。美しい月を眺めながら、涼しげな虫の音が聞こえてくるのを心待ちにしております。
10月17日(土)に「自筆証書遺言と法務局保管」について、秋のTMBセミナーを中央区の“エル・おおさか”にて行いますので、是非ご参加ください。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。