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晶子レター

代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。

11月のレター

 冷気日ごとに加わり、陽だまりで温かさを感じほっとする季節となりました。これから、枯葉舞う厳しい冬に向かうなかで美しく紅葉する樹木がもたらしてくれるパワーは神秘的です。霜月は日本全国での紅葉の見ごろの季節であり、関西では12月初旬まで紅葉を楽しむことができます。実は近畿を直撃した二回の大型台風で庭中の樹木が弱っており、期待できないとは思っていますが、昨年はあまり艶やかでなかった我が庭のイロハモミジの今年の彩がどうなるかは非常に気になっています。

 庭にはありませんが、この冬枯れの季節に美しく咲く私の好きな花が山茶花です。山茶花は日本が原産で、常緑の葉に鮮やかに咲き誇る紅やピンク、白の花が印象的な花です。暦では冬の始まりを二十四節気の第19である「立冬(りっとう)」としており、今年は11月7日とされています。やはり暦通り、11月に入ってくるとグンと寒くなり、冬を感じます。この日から5日間を「山茶始開(つばきはじめてひらく)」といいますが、この“山茶(さんさ)”は中国では椿のことで、山茶と書いて“つばき”と読ませているのです。しかし近世の日本においては、実はこれは椿ではなく、山茶花であるというのが有力な説とされています。日本で山茶花と椿が区別された文献が最初に表れるのは室町時代で、それ以前は山茶花と椿の区別はつけられていなかったようです。山茶花と薮椿が自然交雑した「春山茶花」や真冬に花を咲かせる「寒椿」も園芸上では、山茶花に含まれることも多く、山茶花と椿の区別をつけることは、私たち素人にとっては難しいことでしょう。

 この二つを区別するためには、いくつかのポイントがあります。山茶花の葉の葉脈は日光に透かすと白く映りますが、椿は透けることなく黒く葉脈は見えません。また、椿には香りがほとんどないのですが、山茶花には香りがあります。その香りは不思議なことに白とピンクでも違っており、白はふんわりと淡く、優しい香りがするのですが、ピンクは白に比べるとやや濃い目で蜂蜜を思わせる香りでジャスミンのような甘さが感じられます。そして、注目すべきはその散りざまです。花の形を留めたままコロンと落ちる椿と違って、山茶花の花びらは一片ひとひら、はらはらと風に舞って落ち、地上を点々とはなやかにいろどってゆき、ピンク色の絨毯のようになるのです。秋の乾燥と冷気によって朽ちるのも遅いので、散ってからの余韻もしばし楽しめます。ということで、私は椿ではなく、香りよく余韻の楽しめる山茶花が好きなのです。

 また、山茶花の花言葉は「困難に打ち勝つ」です。開花時期が厳しい寒さの冬でありながら力強く大輪を咲かせる健気な姿が人々の心を打ったからでしょう。私も山茶花のように強くたくましく生きていきたいと思う日々です。

 さて、今月の「健康的な日本酒との付き合い方」ですが、今月は日本酒を飲むことで生活習慣病を予防しようというお話です。生活習慣病の進展をみると、偏った食事、肥満、運動不足、ストレスなどが高血圧、高脂血症、糖尿病などを招き、やがて動脈硬化から心筋梗塞や脳卒中を引き起こしかねないと言われています。そこで近年、機能性食品を上手に使った疾病予防に注目が集まっているそうです。

 日本酒には栄養、感覚、生体調節の三つの機能が備えられ、一般食品とは違って消化を受けずにそのまま胃腸から完全に吸収され、栄養価も高いのです。とりわけ、日本酒には心臓病、がん、糖尿病、認知症や骨粗しょう症を予防してくれる生体調節機能があります。それだけではなく、高次の機能として健忘症やアレルギー、免疫疾患などにも新たな展開をもたらしているというから驚きです。

 1992年には、フランス人がワインの多飲と大量脂肪食の接種にもかかわらず、心臓病、全死亡、がんの死亡率が他国に比べて低いという一見矛盾した『フランス人の逆接』が、赤ワインが持つ抗酸化性と血液凝固抑制で説明されました。その事始は、英国のマルモー博士が報告した「飲酒量と死亡率のU字型曲線」で、全死亡や心臓病死亡率は被飲酒者でやや高く、中等量者で最も低く、大量者になると再び効率になるのです。米国の有名なフラミンガム研究でも、飲酒量と冠動脈心疾患死亡率の間にU字の関係が確認されました。こうした軽量~中等量飲酒の効果を示す方格は生活習慣全般にわたり、後を絶ちません。少子高齢化の医療・介護の問題が生活習慣病の予防によって解決できるとすれば、まさに日本酒好きには嬉しい話です。
(秋田大学名誉教授 滝澤行雄医学博士の「1日2合日本酒いきいき健康法」より)

 いよいよ平成31年度の税制改正の議論が始まってまいりました。今年は消費税の増税への対処や個人事業主の相続税の納税猶予などの改正がマスコミを賑わせています。実際はどのような改正が行われるかは12月中頃に公表される税制改正大綱まで待たなければなりません。わかり次第、素早くお知らせいたしますので、ご安心ください。 吐く息も白くなる季節ですが、紅葉の秋を思い切り楽しんでくださいませ。

11月