晶子の徒然草
代表が最新情報をお伝えすると共に、毎日に全力を尽くす意味合いや
季節の移ろいなどの想いを月1回配信しています。
空が高く澄みわたり、爽やかな気分を満喫できるこの季節。つい先日まで暑い暑いと言っていたのが嘘のように、空気はからっと澄み渡り、日が暮れるのも早くなり本格的な秋の到来です。皆様も短くなっていく日差しを惜しみながらも清々しくおすごしでしょうか?
空気が澄んで、夜が長くなるこの時期はお月見にぴったりの季節です。9月中旬から10月上旬の頃がちょうど夜空が美しく晴れわたり、一年で最も満月がきれいに見えると言われています。このことから今頃の満月の夜は中秋の名月と呼ばれています。日本における中秋の名月の行事といえば、すすきを飾りお団子を供え秋の美しい月を眺めることとされています。月が出ない新月と呼ばれる時から満月になるまでおよそ15日かかることから満月のことを一般的に十五夜と言われています。
お月様を眺めながら私の頭の中には、大好きだった小学校の音楽の先生の「十五夜お月さん」の綺麗な声が響いてきます。この十五夜から連想される歌では「うさぎ うさぎ なに見てはねる~」の歌詞で知られている「うさぎ」という曲のほうが馴染み深いのですが、この歌は有名な詩人である野口雨情の作詞で広く知られている童謡です。実は、この「十五夜お月さん」の歌詞の意味が、とても哀しい内容なのです。いったいどんな哀しい歌なのか、歌詞の一部を取り上げてみます。
- ① 十五夜お月さん ごきげんさん 婆やは お暇とりました
- ② 十五夜お月さん 妹は田舎へ 貰われてゆきました
- ③ 十五夜お月さん 母さんに も一度 わたしは逢いたいな
この歌は、一家離散した家族の女の子が、十五夜の月に話しかけている様子を表していたのです。
1番の歌詞ではばあやがいなくなり、2番では妹と離れ離れになり、3番では病気で死んでしまった母親にもう一度会いたいと願っているのです。大正9年に発表されたのですが、この時代、このように没落して一家離散する家族も珍しくなかったのでしょうね。電気もまだない時代、夜の闇を照らす十五夜の美しい明かりは、人々の心をも明るく照らしてくれたことでしょう。家族と離れ離れになった女の子のこともなぐさめてくれたに違いありません。
私たちも中秋の名月とはいえ、雑務に追い回され満月を楽しくみんなで眺めることが、なかなかできなくなっています。この秋も会社の窓から、帰宅途中や自宅のベランダから、一人であるいは悩み事に心寂しい思いを抱いて月を眺めておられる方も多々おられるでしょう。改めて歌詞の意味を考えながらこのひとりぼっちの女の子の心情を思いやると、まるで自分がその女の子になったように思え、本当に歌と月が心身に沁みます。
十五夜の習慣は、平安時代に中国から伝わったそうです。貴族たちが観月の宴を催して風雅を楽しむようになり、やがてそれが庶民に広がり、江戸時代に入ってから月は作物が月の満ち欠けとともに成長していることから縁起のいいものと考えられ、十五夜は物事の結実、祖先とのつながりを感謝し、秋の収穫と来年の豊作を祈る祭りとして続いてきました。
先人たちはたとえ天気が悪くて月が見えなくても、雲で中秋の名月が隠れてしまった場合は「無月」、雨が降ると「雨月」と呼び、自然のままを受け入れ、風情としていたそうです。せわしない現在からはなかなか思いつかない感覚ですが、自然のままを受け入れ、陰で支えて下さることに感謝できる機会が持てるなんて、お月見はとても意味深い行事だと思います。本格的なお月見の際は、縁側に月を眺める月見台を用意して、ススキと月見団子や里芋、果物などのお供え物を飾って、月を拝み、私たちを陰で支えて下さるものに感謝し、祈りをささげるものですが、特別な準備をしなくても心通い合う人たちと月を眺める時間を持つだけでも心が晴れやかになります。
中秋の名月は旧暦の十五夜を新暦に置き換えて9月15日と考えがちですが、実際には9月中旬から10月上旬の間に旧暦の8月15日がくるため、今年の中秋の名月は10月4日でした。そしてもう一つ、十五夜は本来満月を意味しますが、満月になる周期は14日~16日と振れ幅があるため、十五夜が必ずしも満月ではないのです。そうなると、中秋の名月は10月4日ですが、満月になる日は10月6日だったとのこと。今年の中秋の名月は晴れた空に月が輝き、まぶしいほどでした。科学的な見地からでは後二日後が満月でしたが、そうわかっていてもわからないほどのまんまるお月さまでした。街明かりの下で見てもあれだけ輝いていたら、昔の真っ暗な闇夜に浮かぶ月はどんなに美しかっただろうと想像がふくらみます。
大阪は10月27日(親密企業様向け)、28日(お客様向け)、東京は11月11日に弊社主催セミナーを開催致します。民法が120年ぶりの大改正となりますので、不動産オーナーに影響のある内容をテーマにわかりやすく、すぐに役立つお話を不動産の第一人者、江口弁護士をお招きして元気よくご一緒に致します。皆様のご参加をお待ちしております。
もし中秋の名月を見逃してしまった方は、次は11月4日が満月です。先人に習い、ありのままを受け入れ、中秋ではなくとも、たとえ曇っていたり、雨が降っていたりして月が見えなくとも、空を眺めながら、今の自分の命がご先祖様によって与えられたことや、今なおこうして皆様に支えられ一人ぼっちでないことに感謝する時間を持つのはいかがでしょうか?秋の素敵なお月さまを、風雅で感謝と祈りに満ちた素敵な気持ちで楽しんで頂けたら嬉しく存じます。
深まりゆく季節を楽しみながら、皆様どうぞ健やかにお過ごしくださいませ。
まっとう温泉ワンポイントレッスン15
これまでのワンポイントレッスンで皆様もある程度の温泉知識をつけて頂き、自分の好みと体に合うものを選ぶスタートラインに立って頂いたのではと思っております。ただ、あまりの温泉ブームで、まっとうな温泉は人がいっぱいではくつろげません。やっぱり人の少ない温泉がいいなぁ~。
- 温泉法施行規則の追加事項とは?
温泉法施行規則によると、温泉を持つ施設は循環式・加水・加温・入浴剤使用・消毒の有無の5点について表示義務を負うことになっています。その内容は以下の通りです。
<温泉法施行規則に基づく掲示事項の一例>
- 1.温泉に水を加えて公共の浴用に供する場合は、その旨及びその理由。
- 2.温泉を加温して公共の浴用に供する場合は、その旨及びその理由。
- 3.温泉を循環させて公共の浴用に供する場合は、その旨(ろ過を実施している場合は、その旨含む)及びその理由。
- 4.温泉に入浴剤(着色し着香し、又は入浴の効果を高める目的で加える物質を言う)を加え、又は温泉を消毒して公共の浴用に供する場合は、当該入浴剤の名称又は消毒の方法及びその理由。
- 温泉の浴槽が1つあれば、残りの浴槽はただの水でもOK!?
温泉法の表示を見ていても、いくつかの湯舟のある温泉の場合にはどの湯船が温泉なのかはわかりません。有馬や箱根の温泉でも、温泉宿が3つの浴槽を所有していて、その内1つだけが源泉掛け流しの「温泉」で、後の2つは水道水100%という場合もありました。宿側としては、温泉法に基づき「温泉」に関してだけ表示すれば良いのですから1つの湯舟のみ「循環式不要の源泉掛け流し 加水・加温なし」と掲示すれば問題なしという事になっています。
確かに違法ではありませんが、温泉を楽しみに訪れる私たちには不親切な案内です。温泉を提供する側・利用する側の間に、まだまだこのようなすれ違いが生じていますので要注意です。そこで遠慮なく、どの湯舟が源泉掛け流しなのか聞いてみましょう。この頃では正確に教えてくれます。そうすれば目的どおり、まっとうな温泉に入れて安心です。今はやりの貸切風呂や部屋付き露天風呂を目当てに行く時は必ず事前に宿に確認しておくと良いでしょう。温泉成分が良ければ引湯は難しく、鉄分の多い有馬や硫黄分の多い蔵王はその一例です。大浴場のみが温泉で貸切や部屋のお風呂は沸かし湯というかっこよい“デザイナーズホテル”が多々あります。
温泉目当てで行くならば、「料理」「すてきな雰囲気」にはちょっと目をつぶらざるを得ないケースが多いようです。例えば玉川温泉、川湯温泉、乳頭温泉等の療養型温泉がまさにそうです。私の望みは酸性の成分の濃い高温泉に浸りながら新鮮な地物を食べ、まったりとした布団でゆっくり眠る事なのですが、なかなか実現できていません。でもいつか行こうと思うとワクワクするからいいんですよね! ( ^▽^ )